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平成9年7月から一般公開 「甘草屋敷

甘草屋敷

 重要文化財旧高野家住宅保存修理事業として、平成8年1月着手した、旧高野家住宅(主屋部分)の木部(柱、梁、桁)土壁・建具(雨戸、障子)等の保存修理工事が総事業費6千5百万円余りにより3月完成し、併せて歴史公園「甘草屋敷」整備工事の第一期工事として、平成8年7月着手、総事業費5千3百万円余りで5月に完成した公園の一部が、今月から一般公開されることになりました。
 なお、付属屋など旧高野家住宅に関連する施設や、歴史公園「甘草屋敷」は、市民の皆さんをはじめ、ここを訪れる方がたが、文化財と親しみ、教養を深めることが出来るよう、また憩いの場所として活用出来るよう、甘草を中心とした薬園を含め、現在整備を推進中で、完成は平成13年を予定しています。

旧高野家住宅
旧高野家住宅は、江戸時代に薬用植物である甘草の栽培をして幕府に納めていた家で、古くから「甘草屋敷」と呼ばれていました。
 住宅については、塩山市指定文化財「甲州甘草文書」(3巻)の書付に、幕府の役人を迎えるために、座敷の新築をしたいとの記述がありますが、現在の住宅に新築の痕跡かないため、建築上の観点から19世紀初頭の建設であると考えられております。桁行24.8メートル、梁間10.9メートルを測る、日本有数の大型民家であるといえます。
 山梨県東部に広く分布するこのような切妻造民家は、江戸時代の主産業であった養蚕と深く結びつき発達していったと考えられています。2階以上は広い作業場であり、正面の突き上げ屋根は、作業場の明かり取りと換気のために設けられています。
 そのため、旧高野家住宅は甲州を代表する大型の切妻造民家の最も優れているものとして、昭和28年3月に重要文化財に指定され、その後昭和35年には、保存のため茅葺きから銅板 葺きに改修されました。 なお、平成8年7月には付属屋五棟、附(つけたり)指定として地実棚など3棟、宅地4,932.07平方メートルが追加指定を受けました。

歴史公園
「甘草屋敷」
 甘草は享保5年(1720)よりさらに60〜70年前に、東新居村(現一宮町)から根分けされたものです。享保5年に幕府により甘草園が整備された際、甲州では甘草屋敷以外に下石森村・下神内川村(現山梨市)の2ケ所でも設けられましたが、甘草が現存しているのはこの甘草屋敷のみであります。
 昭和35年にはその重要性が評価され、山梨県史跡に指定されました。

平成30日まで無料で公開
 旧高野家住宅(主屋)及び公園の一部が完成したことにより今月から一般に公開されることになりました。なお、9月30日までは無料で見学できます
 まだ内部を一度もご覧になったことかない方など、この機会にぜひ一度ご覧下さい。
 玄関を入ると広い土間、太い大黒柱に圧倒され、また、広い座敷の続く内部を見渡したとき、当時の暮らし等を思い起こすことが出来るものと思います。

平成9年7月1日発行の広報誌より掲載させていただきました


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